設立趣旨

現状と課題

 建築物屋内環境の省エネルギー性と快適性をともに実現する手段としての放射・輻射冷暖房システム(以下“当システム”)は、欧州諸国において広く採用されており、我国においても導入開始されて久しいものの、いまだ建築物において採用されているのは従来型空調システムが大半であり普及は進んでおりません。
 地球温暖化が進む中、また原発事故以降の電力供給課題を抱える我国において、エネルギー効率向上と再生可能エネルギー活用を可能とする当システムは、地球環境保護や、我国における経済活動支援の観点で有効です。また人口減少、労働力減少のすすむ我国では、知的生産性向上や健康維持が必須の課題であり、当システムの普及を通じての高品位な屋内環境の実現は課題解決の有効な手段の一つです。
 しかしながら、我国においては建築物提供者を含め建築物保有者・利用者で当システムの利点への理解が進んでいない、また当システムの技術的評価手段が確立されていないなどの課題があり、現状は関係事業者が個別に独自に対応しているのが現状です。


当協会設立の背景

 建築物保有者、利用者の観点から当システムを選択、利用するにあたり、当システムの製品・技術についての客観的、統一的な評価基準等が必要であるが、当システムの関係各事業者の個別、独自努力にてこれら課題を解決するのは限界があり非効率です。このため、関係事業者に共通した技術課題解決や建築物保有者・利用者への認知・普及課題につき関係事業者で協力しての対応が必要です。


当協議会の活動概要

 当協議会では、我が国における当システム利用環境も踏まえ、省エネルギー性等の性能を測定するための技術的評価基準やその測定方法等の確立を図るとともに、当システムの有効性への認知やその普及を促進するための種々活動を行ってまいります。